Second Life の思い出

私はミーハーな人間です、そしてまたちょっぴり恥ずかしがり屋さんです。そんな私が半年前に経験した Second Life の感想を書いてみたいと思います。ただしあくまで半年前の話ですから、現状は色々と違っているのだろうと思います。もし今はこんなに変わったよ、良くなったよ!という点がありましたら、是非お教え下さい。

まず、私が Second Life にチャレンジしてみたのは、今年の3月のことでした。確かそのころは、なんか良くわかんないけど Second Life ってのが新しいらしいよ、という風の噂があちこちから騒然と聞こえるようになったころだったでしょうか。その時ちょうどPCを新調したということもあり、せっかくだから試してみようと思い立ちました。新しいモノ好きなのでためらうことなく。その時点で既に、なんだか言われてる程面白いものじゃないよ、とか、アバターの顔がくどい、とか色々文句を言われてましたから、始めるにあたって過剰な期待はしていませんでした。

最初に断わっておきますが、私は Second Life は面白いと思います。あとちゃんとLinux版のクライアントも用意してくれているからとても好感を持っています。だから、以下に書くことにややネガティブな視線があったとしても決して、Second Life つまらないよね、ということではありません。

苦々しい名字の思い出

試練はまずアカウントの取得から始まりました。名字です。いつもの通り keita でアカウントを作ろうとしたら、なぜか Second Life には強制的に名字が必要というわけですね。この時点でかなり「?」なわけですが、しかも名字は自分で好きに決められるのではなく、一覧から選択しなければならないと言われました。当然海の向こうのサービスですから名字も向こうのものだらけです。で、渋々選んだ名字は、今はもう既に忘れて思い出せもしないのですが、なんだか「ヨーダ」みたいな感じだったと思います。カタカナで書けば、「ケイタ・ヨーダ」みたいな?うわぁ。

良く分からないのですが、とっても嫌な気分になりました。

ログインした直後

最初は練習用の島からスタートです。慣れないと操作するのが大変だなぁ、と思ったのですが、空を飛べることに気付いてからはとても楽しめました。やっぱり自由に空を飛べるってのは憧れですもんね。私は単純な人間なのでこれだけでも Second Life 良いじゃんと思いました。

アバターの顔がくどいのはまぁ慣れますね。気に入らなかったら自分で頑張って直せばいいだけみたいだし。どうせ周りの顔もみんなくどいのだから気になりませんよ。この点に関して文句言ってた人はつまらない事を気にしたものだなぁと思いました。

あと重い重いって聞いてた割には、意外と大丈夫じゃん。私は貧乏人なので3000-4000円程度で買ったビデオカードを使っているのですが、そこまでストレスを感じるわけではありません。これに関して文句を言ってる人は大袈裟だなぁと思いました。

そんなわけで、ログインした直後はなかなか幸せな Second Life 体験です。Second Life 面白い!

観光は楽し

面白いから、じゃあ色々と観光してみようか、と思い立ちました。良くわかんないけどあちこちテレポートして歩きまわってみました。

最初はまず日本人街あたりを散策。へー、みんな色々つくっているんですね。和風だよ、と感動しました。あとはブックオフに行って迷路をやってみました。でも迷路はあまり面白くありませんでした。あとは周囲を散策してみたり。フラフラと歩いていたら溝にはまってとんでもなく下の方に落ちていって、どっかの地下室みたいなところに閉じこめられたりしました(でもテレポートできるから安心)。おお、楽しい!

  • カジノいっぱいあるなぁ、人居ないけど
  • あちこちに三角やら丸い石だの落ちてて、なんかねずみ講っぽい文面が貼り付けられてた
  • みんな自分の家を思い思い好きに建ててうらやましい

とか。観光は楽しいですね!

なんか作ってみようか?

観てるだけでは寂しいから、自分でも何か作ってみる?と思いました。だって良く分かんないけどリンデンスクリプトとかいうのでプログラムが書けるんでしょ?楽しそうじゃない。

まずはお勉強から。色々教えてくれるタワーみたいなところに行きました。説明を読むと、うまくオブジェクトをつくるのは難しそう。まぁいいや。別に丸とか四角をつくこと自体は簡単に出来るし。

問題はどこで作れば良いか、です。なんか sandbox とか言うところで作れば良いらしいと聞きました。じゃあ行こう!

ということで sandbox に行くと、たくさん人が居ました。あやしい格好の外人さんがうじゃうじゃ居ます。sandboxって初心者が居るところじゃないのか?と多少疑問に思いましたが、まぁ流行りのものだから初心者がたくさん居るのだろうと気にしないことにしました。そこでさっそく丸やら三角をつくってみました。オブジェクトを小さくしたり大きくしたり。操作結構難しいですね。センスないのかも。

ファンタジー野郎との出会い

...と、あたり構わずブツブツやっていたら、なんかあきらかにうざったそうなヤツが周りをぴょんぴょん飛び跳ねています。格好がまるでファンタジーなんですよね。大きな剣とか持ってるし。プッ、なんて趣味まる出しの恥ずかしいヤツ!と思って無視していたら、彼は私の前でおもむろに大きな鳥カゴのようなものを取り出したんでよね。

そしたら次の瞬間いきなりブラックアウトですよ。

スクリーンに映るのはなんか知らんけど「あわわわ...」ともがいている自分のアバターの姿だけ。何が起こったのか良く分かりませんでしたが、しばらくして、ああこれはとんでもなく上空に飛ばされたんだな、と気付きました。彼の仕掛けたアレのせいだ、ということはなんとなく理解できましたが、彼は何がしたかったんでしょう?これって嫌がらせなの?

まぁいいや、テレポートすればいいんでしょ、というわけで別の sandbox に行ってみました。そしたら、それはそれで、別の種類の変なヤツがいっぱい居ました。ここはどこの世紀末なの?

川の底に引き籠る

sandbox はどこに行ってもうざったい人々が居る、ということは理解できました。そもそも sandbox って普通の人もあわせていっぱい居るから、明らかに初心者な私がオブジェクトをあれこれいじっているのは、とても恥ずかしく感じました。最初に書いたように、私はちょびっと恥ずかしがり屋さんです。だからこっそり練習したいと思いました。

人の居ないところどこだろう?とウロウロして探したところ、私がみつけたのはとあるsandboxの川の底でした。ここなら誰も来ないしぃ。これで思う存分遊べるじゃないか。取り敢えず、たらいを作ってスクリプトを書き、車の代わりにして乗り回してみました。おお楽しい、これはプログラマなら是非体験してみるべき。とは言え、さすがに川の底で引き籠るはどうなのよ?という疑問の前に、私はログアウトしました。

それ以来ずっと、ログインしていません。

今思うこと

小学生の時、図工の時間で絵を描いたり粘土で動物をつくったりしましたが、そういう時に周りを気にしながらコソコソする子ってクラスに必ず居たのではないでしょうか。私は Second Life でああいう気まずさを思い出しました。うまく出来るまで人に見せたくない、って思うような恥ずかしがり屋さんは、どこで練習をすれば良いのでしょう。私が選んだ川の底という選択肢は何かを間違えていたような気がします。

だからと言っていきなり自分の土地を買うのは大袈裟です。しかも土地を買ったとしてもお隣さんがsandboxに居たファンタジー野郎みたいなうざったいヤツだったらどうしようかと心配です。あれ、ひょっとしてファンタジー野郎が心のトラウマ?

結局のところ、私のような心配性の人間には、Second Life はやや厳しい世界のように感じました。心配事は現実世界の中だけで十分ではないでしょうか。お気楽に観光するだけならとても面白かったです。

さよなら Second Life、楽しい思い出をありがとう。